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February 27, 2006

手こずった木曾のあまご

2005年5月初旬、鮎太郎は木曾にいた。その日の夕方には木曾を後にする予定だった。時間は3時間ほどしかない。山○という旅館の主人のすすめで、宿前の川の上流に入るつもりで歩いて行った。入渓点から川に降りると、3人の若者がルアーフィッシングを楽しんでいた。川の向こう側に新興の別荘地があり、そこに来た人達と見受けられた。聞くと、さらに上に釣り上がっていくとのこと、仕方なく、宿周辺で竿を出すことにした。20cm前後のイワナは釣れるものの、アマゴは掛かって来ない。「いないのかなぁ…」と思っていたら、目印が微かに揺れる程度のアタリが出た。いるのはわかったが、相当にスレているアタリだった。1mほどの水深のポイントで、一本の流れの筋とその横に巻いている流れがあり、渓流マンなら誰しも、竿抜けポイントとして、目を留める場所だった。身を隠すのにも最適な岩場もあった。鮎太郎は、他へ動くか迷ったが、この魚を釣ることにした。水中糸はフロロカーボンの0.1号、針は秋田狐の2.5号。エサを数回流すが、辛いアタリばかりで針掛かりまでは持っていけなかった。

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February 21, 2006

思い出に残るツワモノ③~道志川

鮎太郎は、狡知なヤマメに畏敬の念を感じていた。どうしたものか、何か良い策はないのかと、その日はずっと考えていた。夜に一杯やりながら、ナイター中継を見ていた時だった。巨人の桑田真澄投手のピッチング術についての解説を聞いていて、ある考えが閃いた。今まで使わなかったエサ、桑田選手の投球術・・・

昨夜、ナイター中継を見ていて、そういえば、クロカワムシを使っていないことに気が付いた。カーブを見せ球に、最後はストレートでインコースを攻める桑田投手のピッチングをヒントに、2ストライク3ボールまでは、キンパクとピンチョロで粘るつもりだった。そして、締めの一球はクロカワムシにしようと、零釣法の針に合うサイズを捕ってきていた。

一昨日と昨日と同じ山道を下りながら、3度目の正直という言葉があるが、今日、釣れなければ、あのヤマメは諦めようと決めていた。仕掛けをセットし、エサを流すと、キンパク、ピンチョロが、これまでと同様に齧り取られていた。これを見せ球にしているという自分の意識だけは今までと違っていた。「カウント2-3、充分な伏線にはなった筈だ、最後の一球、いざ勝負だぁ~」とクロカワムシを投入した。

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February 20, 2006

思い出に残るツワモノ②~道志川

2日目の今日は、キンパクの他に、ピンチョロとヒラタを採捕してきた。昨日は散々にしてやられたので、山道を下り立ったところから、姿勢を低くして、足音や物音をさせないように慎重に歩を進めた。片膝を付いた姿勢のまま、仕掛けをセットし、先ずはキンパクから流してみることにした。仕掛けは、昨日と同じくナイロン0.08号に細地袖2号だ。昨日とほぼ同じところでアタリが出た。だが、またしてもエサの半分だけが齧りとられていた。次はピンチョロを2匹付けて流してみた。また、エサだけ取られていた。ヒラタを付けても同じだった。アタリが出たところで、エサを止め気味にしたりしながら、やっと何投か目で針掛かりさせた。だが、それでも、首を振られて針を外されてしまった。自分の頭の中に、目印を見ている肉眼の映像と、自分の棲み処から出てきたヤマメが、そのエサを捕食しても大丈夫なのか、口先で慎重に確かめながら流下して行っている映像が浮かんでいた。そのヤマメは、ヤバイと感じたら、すぐ首を振っているようだった。2度ほど針掛かりさせたものの、やはり3度目はなく、自分の棲み処に戻ったようだった。

 他の瀬に行けば、活きの良いアタリと魚の引き、テンポの良い射的のような釣りも楽しめるのだが、どうしても、このヤマメの顔を拝みたくなってしまった。鮎太郎は、この日も、深々と頭を下げ、少し凹んだ気持ちで、山道を登って行った。 つづく

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February 19, 2006

思い出に残るツワモノ①~道志川

そろそろ渓流解禁。忘れられない釣りシーンというのは誰にもあるだろうが、今回は、釣り上げるのに3日も掛かったヤマメの話、見方を変えれば、一尾のヤマメを釣るのに、3日も掛かってしまった釣り人の話…。

「奴は必ずあそこにいる、絶対いる」そう思いながら、〝自称万年中級釣り士〟の鮎太郎は、道志川の山道を降りて行った。実は、前日に一尾のヤマメに散々にしてやられたのだった。その日は、キンパクという黄色いこおろぎに似た川虫をメインに使っていた。何匹か釣って、かなり気分も良くなっていた。鼻歌交じりでエサを流していた時に、そのヤマメとの接触があった。アタリは出るのに針掛かりしない。それどころか、エサの半分だけ齧り取られていたのだった。零釣法という釣り方の鮎太郎は、仕掛けをフロロカーボンの0.1号からナイロン0.08号、針を細地袖の2号に変えた。やっと針掛かりさせたものの、2回も首を振られて針を外されてしまった。さすがに3度目はなく、奴は、自分の棲み処へ逃げたようだった。10回エサを流して、ことごとくエサを齧られ、針掛かりした2回も外されては完敗であった。「凄い奴がいるなぁ…」と、鮎太郎は深々と頭を下げ、釣り場を後にした。 つづく

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February 15, 2006

ハギ釣り一年生のハギ釣り一考

自分でも、よく行くなぁ…と関心するくらいカワハギ釣りに行っている。去年の10月頃からだが、面白いから行っているのだろう。去年の秋には元気いっぱいだったカワハギも、2月ともなると、アタリや引きにパワーがない。ハギ釣りの経験は少ない私だが、この時季にはこの時季なりのアタリの聞き方があるような気がしている。この時季は、水温が下がり、魚の活発度も落ちているので、感覚を研ぎ澄まして、繊細に真剣に、アタリを聴かないと、舟の下のカワハギの声は聞くことができない。 最近、一緒に釣りに行っている新さんも、この時季に、微細なアタリを聞く練習を積んでおけば、盛期に必ず役立つと言っていた。また、名手・名人と言われている人達も、厳寒期・盛期ともに、ある時期、集中的に釣り場へ通い、基礎の習得を図って、自分の釣りを確立して行ったそうである。自分の他の釣りの経験からも、その意見には大いに頷けるものがある。今は、ハギ釣りを、少しでもうまくなって、より一層楽しみたいと思っているのだが、うまくなる方法として、魚をたくさん釣って魚に教えてもらうということがある。時合が来た時の連釣パターンのリズムを作る、アワセ(フッキング)や魚のいなし方、取り込みまでの竿操作、リールの巻上げなどの練習は、元気な魚がたくさん釣れる盛期時季でないとできない相談だ。微細なアタリを聞いたり、活発度が低くなっている魚に、ちょっとでも元気なアタリを出させることは、厳寒期でしかできない練習だ。釣果は激減するが、その分、一尾の重みを再認識できるメリットもある。そんな思いや考えで釣り場へ通っているうちに、活性が下がって引きが弱くなってもハギはハギだよなぁ・・・と、ハギの側に立って物事を考えていたりと、自分の中で不思議な変化が生じているようである。これは私が、ハギのことを、愛おしく思い始めている証拠に他ならない。 つづく

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February 13, 2006

タモの替え網付け

syuuki_005去年、カネちゃんの弟子?の竜ちゃんからタモ枠をプレゼントしてもらった。今日は昼間時間が取れたので、そのタモに網を付けた。説明書だけではわからず、ネットであちこち検索して、取り付け方を調べて、何とか形にはなった。渓流の解禁日には、これを持って行くことにしよう。

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February 12, 2006

2006国際つり博

PICT0004PICT0017PICT0014 2/11パシフィコ横浜で開催された国際つり博に行ってきた。会場で、苦楽研人ご夫妻、狩野川の植田組合長、鮎蔵氏らと久し振りに再会し、楽しいひと時を過ごすことができた。今年はS社のおとり缶、引船は早速に注文をしたいと思って帰って来た。ちょっと前の話なのだが、鮎竿を新調しようと慎重に検討を重ね、3月に入ってから、釣具店に注文に行った。そうしたら、すでに受注申し込みが終わっていたという憂き目にあったことがある。人気の高い商品ほど、シーズンに入ってからの入手は難しいので、必要なもの欲しいものは、早めに手を打った方が良さそうだ。

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February 07, 2006

今年もつり博

今年は、国際つり博がパシフィコ横浜で開催される。私は11日に行く予定である。私にとっては、このイベントが終わると、そろそろ花粉の季節ある。今年は飛散の量は少ないとのことだが、実際、どうだかはわからない。清冽な渓流での釣りは楽しいのだが、花粉症の人には厳しい時季でもある。そんな花粉釣り人に朗報をもたらすゴーグルや防塵マスクが販売されているか見て来よう。

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February 01, 2006

渓流解禁前に想う

最近はカワハギ釣りばかりに行っているが、カワハギは〝エサ取り名人〟という異名がある。2月は渓流解禁であるが、渓流のエサ取り名人と言えばヤマメである。一昨年の道志川では、ゼロの仕掛けで、エサのキンパクという川虫を何度も齧り捕られ、その一尾のヤマメを釣り上げるためだけに3日も通ったのを覚えている。スレている奴はアタリすら出さずに、餌だけ掠め取っていくのである。私はD社のゼロロッドを使っているが、最初はあまりの感度に面食らったものだ。釣れなくても、ヤマメがエサに触れたかどうかがわかるくらの感度の良さなのだ。

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