竿の先に魂
早上がりの仕事の後、寸暇を惜しんで鮎釣りをしようと、とあるおとり屋の暖簾をくぐった。最近の釣況を聞く私に、「魚はいるが、今、川に入っている奴には釣れねえ」と言う。さらに、「どいつもこいつも竿の先に魂が入ってねえ」と・・・高齢の店主。何だが自分が叱られているような気がして、そそくさと店を後にした。その後しばらくその言葉が妙に胸に引っ掛かっていた。ある時、〝竿の先に魂〟というのは集中力のことではないかと思った。竿を持っているだけでは鮎は掛からない。あの石の頭でおとりを止めて、次は・・・と考え、きちんと竿とおとりの操作をして、はじめて掛かるのである。その店主がとても偉大な人のような気がした。でも、あれ以来あの店には行っていない。
2004/02/02作成 リニューアル前のHPに掲載していた記事です。
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Comments
Ayutarouさん、こんばんわ。
竿の先に魂・・・アタシも同じような事を言われたことがあります。
「竿に気持が入ってない」って。言葉は違いますがニュアンスは同じだと思います。
本牧でスミイカやマゴチを釣らせる船長で、釣りが好きで仕事を辞めて船頭になった変り種です。
お陰で初挑戦ながらツ抜けして回りから褒めてもらいましたが、それ以来行ってません。
苦手意識や悪い印象はないのですが、そうですね。。
強いてあげれば、キツイ釣りになりそうなので2の足を踏んじゃってるのかも知れません。
Posted by: とど | November 29, 2005 08:07 PM
とどさん、どうもです。
釣りが好きで脱サラとは、かなりの変わり種ですね。芦ノ湖の主の話はびっくりしました。それだけ、おもしろいってことですから、来年は、真夏の太陽の下、いっしょにウハウハしましょうよ。
Posted by: Ayutarou | November 30, 2005 08:36 PM