釣り人同士には、「あなたは病気だ」とか「私も病気だが、あの人ほどではない」というような、奇妙な会話のやり取りがある。確かに、釣りに人生を賭けているかのような人もいるし、市販の仕掛けとレンタルロッドで、そこそこ楽しめれば良いという人まで千差万別だが、釣りを楽しみたいという思いは、みんな同じである。同じ病気でも、症状の幅が広い場合は、症候群という括り方をするようだ。
最近、釣友とカワハギ釣りに何度か行ったが、大変な世界であることを痛感した。ウェアからロッド、小物類まで、D社のトップモデルに身にまとった若者から、着流しのお爺さんまで、ファンの年齢層が実に広く、子供や女性のアングラーが多いのにも驚いた。また、船内ノーマークのお爺さんがぶっちぎりの竿頭になったりするのも、この釣りの奥深いところでもあり、釣り人を熱くさせる要素の一つだろうと思った。竿や針、リール、中オモリ、どれも多種多様のものが市販されており、自作に精を出している人も多いらしい。
話は変わるが、世に、ピーターパン・シンドローム(症候群)という言葉が流布したことがある。ピーターパンは、夢の国の永遠の少年である。船の上は、コン、コン、コンというキモパンカワハギ特有の引き味を、少しでも長く堪能していたいと、少年のようにはしゃいでいる人達ばかりである。楽しみ方に違いはあるが、キモパンカワハギ釣りに対する共通の思いを持つ人達のことを、私は、『キーモーパン・シンドローム(症候群)』と呼ぶことにした。どうやら、私も、キーモーパンの仲間入りをしてしまったようだ。
11月に、釣友海馬さんの肝いりで、カワハギのキモパンオフ会が開催されるが、どんな人たちが来て、どんなドラマが待っているのか、とても楽しみである。
Recent Comments